編集会議「六本松を語る会」

ROPPONMATSU DISCUSSION MEETING

南原さん(蔦屋書店 六本松店)×トウグチさん(肩書)×熊野さん(フォトスタジオ フラッシュマン)

「六本松の本」の刊行を記念して、
この街を愛してやまない御三方に
たっぷり魅力を語っていただきました!(聞き手:立木美江)



【トウグチ】 六本松って街なんだけど、大通りを挟むと、なんか人間の心理的にそれが“川”じゃないけど、
なんか、渡りにくいという感じで、
信号の待ち時間の長さとかもあると思うんですけど、例えば
ご飯食べに行くのが大通りのこっち側がやっぱり多いんですよね。
だから十一さんとかまでは行くけど、渡ることがあまりなくて。
一丁目に住んでるときは一丁目で食べて、四丁目にいるときは四丁目で食べて...
という感じになるかな。なんかそこもちょっとこう六本松なんですよね。

【南原】あの信号、スクランブル交差点にしてほしいです。

【熊野】あ、それがいい。

【南原】お昼向こうに渡って、例えばイムキッチン行くときとか、絶対信号2つ渡らないといけない。

【熊野】それがありますよね。

【トウグチ】そうなんですよ。確かに。

【南原】もう...嫌です。

(一同笑い)

【熊野】いや確かに今回ね、本当に撮影でいろいろなところへ行かせてもらっていて、
僕のいる六本松4丁目から1丁目のNHKまでをカメラと三脚を持って歩くと、 結構痩せますよ。
痩せますよね?いや、そこを食べるんですけど。
だけど結構ほんとに距離もある程度あって、店舗が、個人商店がたくさん、 このメモリーズのあとからまた増えているなぁって改めて思いますよ。

【立木】六本松の良いところが、地産地消という言葉があるじゃないですか。
あれが地域が参加して地域で養う、みたいなのがすごくいいなと思ってて、
住んでいる人とお店の距離がとても近いというのもいいことかなと思いますね。

【トウグチ】確かに、昔に比べると、住民の層とかは変わってきているけれど、
でもまた新しい人も入ってきて、六本松は住民の“住”と商業の“商”のバランスが良くて、
なんかベッドタウンとかだと家ばっかりだし、博多の方に行くと商業ばっかりで、
日曜日になると閑散としたりするんだけど、 六本松の場合はそれがちょうどミックスされているので。

【立木】街って縦に伸びるのもいいけど、
横に伸びるのもいいなって思いますね。

【トウグチ】あとは人口のバランス。
老人もいるし子供もいるし。
老人ばっかりの街はやっぱり寂しいし、
若い世代ばっかりだと、やっぱり店舗に偏ってもあるんで。

【熊野】あとやっぱり嬉しいのがですね、草香江小学校の、まあ何人かいるんですけれど、
ちゃんと「ただいま!」とか言ってくれるんですよ。僕、親じゃないのに。
だから僕も「おかえり!」って言うんですよね。
それはもうほんと、ろっぽんぽんでも何人かいますけど、
でも何かそういう子どもたちが、声を見つけて「帰ってきたよー!」とかって言われると、
何か「あ、すごいあったかい場所にいるんだな、俺。」っていう感じがして、距離感が近いなーって。

【トウグチ】働いてる大人を見れる子どもはちょっと幸せかなと。
なんかどうしても、今テレワークがあるからアレだけど、
会社に行っちゃうとお父さんが何して働いてきたかもわからないから、
汗水たらして働いていた時に、ろっぽんぽんは丸見えだから。
昔はそういうのが全部この通りでは見えてたのだけど、こうなったから。

【熊野】ここのアトリエからって、ほんと全部を見渡せるんですね。
“あの人悪い事してるなぁ”とか。
全部が見渡せられるし、全部が見られるんですよね。

【トウグチ】何かやっぱりこう私たちのような個人商店が元気な大人として、子どもの前に出るのがいいかなと思ってます。
大人だけど楽しそう!っていうところをみせてあげないと!
蔦屋にも子供だけで来たりとかも、あるんですか?

【南原】ああ、時間帯、とくに夕方とか子供だけで来てたりとかですね。
午前中はシニアの方が多くて、だんだん主婦の方がいらして、午後からは学生が。
それ以降は働いた人たちがよく来てた。 けどそれがだいぶなくなったかなと。

【トウグチ】そうか、皆時間も早くなっているのかな?

【南原】そうですね、なので1日でお客さんの層が変わってますね。

【トウグチ】しょっちゅう来る子供とかは?

【南原】はい、コミック売り場とかは…

【一同】ですよね(笑)

【南原】今の高校生とか、スタバ飲んでると、最近の高校生小遣い持ってるんだなぁって。

【熊野】持ってますよね!スタバで、高校生ですよ。考えますか。行けないですよね。

【南原】今の高校生がうらやましいな。
そういう風な過ごし方が、自由な選択肢が今多いですからね。
楽しんでもらったらいいなと。

【立木】最近は住んでいるように旅をする、とかいうのもありますもんね。

【3人】うん、いい言葉ですね。

【立木】やはり六本松はそれを味わえる場所かなという風に思います。
3人は街歩きを六本松でしてみて、このへんが楽しいなとか、
こういう楽しみ方があるとかあったら、是非みなさんに教えていただきたいんですが。

【南原】 お昼休みにうどん日和に行って食べるじゃないですか。
そしたらそのまま、ろっぽんぽん行って、たいもちを6つ持って帰るようにして…
話すとキリがないって言われるんですけど、これを作ってもらっている間にコーヒーマンに行って、
コーヒーを買って、戻ってきて、ちょっとおしゃべりして、帰ったら働くという、
その1時間で少しリフレッシュできて。

【熊野】そしてそこで会う、みたいな。

【トウグチ】私もこう、一日図面を書いていると、本当に誰とも話さないって事があるんで。
でも私が車を止めて、ここまで来る間に何人かと会って挨拶して、歩いたら何十秒なんだけど、
何分もかかって。

【熊野】誰かと会う。

【トウグチ】そうそう。
県外とかでも仕事することはあるんだけれども、
帰ってくるとやっぱりホッとしたり、ここがあるから頑張れるし。
めっちゃ世話焼きで、距離が近いじゃないですか。

【熊野】近すぎるんですよ。

【トウグチ】だからずっといると喧嘩になると思うんですよ。
私はたまにしか来ないから、私は他所で働いてたまにしか来ないからいいんだけれど。

【熊野】そうですよね。ただ面白いのは、64ストリート1本歩いただけでも、5,6人と挨拶を交わすことができるのは凄い気がします。

【立木】昔の商店街がそうなんですよ。

【熊野】そうですよね。一番いいのは適度に都会なんですけど、四季がわかる。
桜の時期は、この辺桜並木になるし、谷公園に行くと、あの大きな立派なお墓があるんですけれども、
緑の新芽が出てきてっていう。で、紅葉のっていうので。
僕、ここで写真をしようと思ったのは、それもあったんですよね。

近所のお母さんが緑道の草を抜くっていうのは本当に、何か素晴らしいなと思って。
こちらのお母さんはですね、緑道を愛して、六本松4丁目を愛してるので、本当に、もうもう習慣なんですよ。
雨が降っていなかったら、ほとんど毎日してますから。

【立木】私は緑道は猫のミーティングによく出会うことができて、それもまた魅力かなと思います。

【熊野】一番最後の方ですね。
桶ですよね。多分そこにいるおばあちゃんが家に来るんですよ。

【立木】ろっぽんぽんさん今流行してるんですけども、その真裏に実は緑道があって、
歩いていくとたくさん座ったり休憩したり、気持ちのいい場所があるんですが、
なかなか皆さん気づかれなくてね。
そのまま戻ってしまうのはちょっともったいないなという感じがしますね。

【南原】すごいですね。
そこまででお腹いっぱいになっちゃう。

【熊野】なかなか家まで来てくれなくて寂しい時があるんですよ。

【トウグチ】1回だけやった、幻の「ロクヨン散歩道」があるんですけれど、
緑道のイベントをしたんですよ。

【立木】へええ、知りませんでした。

【トウグチ】リアカーを作っている研究所があって、
そういう人たちが緑道にリヤカー並べたいって言うて、私のところ来たんですよ。
緑道使えますか?って橋田さんに聞いたら、「あ、できるできる。どんどんやって」
みたいな感じで、なんか、ろっぽんぽんとかにも出てもらって。

【熊野】これ、楽しかったですよね。

【トウグチ】蔦屋とか結局リアカーをオーダーしてくれて(笑)

【熊野】こういうときに南原さんに会うんですよ(笑)

【トウグチ】南さんも言ったけれども、また何かイベントをしたいなと。

【熊野】ですね!

【トウグチ】町のためとか、そういう大掛かりなことでもなくて、自分たちが楽しいと思うことを、
地域の人や地域じゃない人も楽しんでもらえたらいいなと思う。
それが次にどういうやつになるかわからないんですけど。

【熊野】何か本当に六本松のことを、何かいろんな人に知ってもらいたいな って思ったりもしたんですね。
今回の撮影をしていたときに。
本当に何度も言っているように、古い建物の雰囲気もあるし、ちょっとおしゃれなところもあるし、
近代的な靴屋さんもあるし。
何か本当に、ちょっと天神とは違うそういう大きな百貨店だったりとか、
ショッピングモールとは違う楽しみ方が、この六本松にはできるんじゃないかなって。

あとは本当に、なにげに年配の方ですね。
ご高齢の方でもなんかもうちょっと出歩けるような感じになったらいいなって。

今、フラッシュマンに3人ぐらい定期的に年配の方が来るんですよ。
それもお話をしたいから、っていうので。もうろっぽんぽんとうちとティノとを、
応援しているという、横山さんっていう猫好きの知っているかもしれないですけど、
そして「あんた大丈夫?」って、僕に会いたいときは電話してくるんですよ。
で、僕は六本松の母って言っているんですけど。

だったりとか、そこのURに住んでいる方も、夫婦で結婚式なので写真熊ちゃん良いかね?って、
どこで撮ってほしい?って聞いた時、緑道の俺がいつもおるところで撮ってほしいって。
あ、わかりましたって。
あとは母ちゃんをきれいに撮ってって。
わかりましたって言って、で、ご自宅で本を買っていて、谷公園とかって言ったから、
ああ、やっぱ思い入れがあるんだなって思ったんですよね。

【南原】本当は住みたいんですけど、なかなか…

【熊野】いや、よかったじゃないですか。

【南原】六本松は住んでいる人も、六本松に対して結構誇りを持っているなと感じましたし、
これから住む人たちも六本松に住みたい、とか、住んでてよかったってなるような仕事が
できたらいいなと思うので、まさにこの1年目、させてもらった時はそれを感じさせてもらいましたし、
5年ぐらい経って、また新しいお店もできてるんで、何かメモリーズの2みたいな。

【熊野】それをデジタルで、ですよね。
いやだから写真を撮れば撮るほど個性的っていうんですか。
だからそれが逆に楽しいですよね。多分、自分の個性的なので、
個性的な人の気持ちがわかるって勝手に思っているんですけど、

【南原】なんか六本松っていう地名はまだ日本人の人でも知らないそうなんですね。

【トウグチ】福岡の人でも六本松のことを“六本木”って言い間違いありますよ。

【南原】未だに六本木TSUTAYAの予約と間違えることもたまに…(苦笑い)

(一同笑い)

【熊野】それを超えるぐらいってなると、なかなかですよね。

【立木】今日はお三方お忙しい中、お時間を取っていただいてありがとうございました。
この機会の為に尽力していただいた蔦屋書店 六本松店の南原さん、トウグチさん、撮影にご協力頂いた熊野さん。
感謝の言葉もありません。本当今日はどうもありがとうございました。

【一同】ありがとうございました。

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